平成26年12月21日(日)、グランフロント大阪でJR西日本あんしん社会財団主催による「いのちのセミナー」がありました。
テーマは「最先端の科学から考えるいのち」でした。
公演はあのiPS細胞の樹立の成功によってノーベル生理学・医学賞を受賞された山中伸弥教授でした。
山中教授は現在、京都大学附属iPS細胞研究所所長をされています。公益財団法人JR西日本あんしん社会財団は、2005年4月25日に福知山線で脱線事故を起こし多くの犠牲者を出したことを反省し、設立されたそうです。

http://www.jrw-relief-f.or.jp/

山中教授は医師として働き始めたのですが、その道を辞めて研究職につくことを考えます。その理由は、ご自身が仰っていたのですが、手術が下手だということと手術や当時の薬では治せない病気があり、その病気の原因を突き止めて治療方法を開発したいと考えたからだそうです。

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 渡米して研究を始められますが、機材はさほど日米の違いはなかったそうです。ただ、スタッフが充実していて、研究者だけでなく実験用のマウスの飼育を専門に行なう人もいたそうで、研究に没頭できたそうです。
その後日本に帰国して研究をするのですが、マウスの世話も自分自身で行なわなければならず、思うように仕事がはかどらなかったそうです。

それでも、渡米先で上司から教えられた人生で成功する秘結を学ばれたそうです。
それはVWだと。スライド画像は米国人上司とフォルクスワーゲンの写真ですが、車の話ではありませんでした。先生特有の冗談ですね(笑)
“Vision & Hard Work”、つまりビジョンを持つこと、そしてそのために一生懸命働くことが成功の秘結だといういうのです。当時上司からビジョンについて尋ねられたが応えられなかったそうです。良い研究をして論文を書いてお金を手に入れ、立派なポストにつくことがビジョンではないと悟らされたそうです。
結果的に「今、治せない病気や怪我を、将来研究成果で治したい」という昔思っていたことを思いだし、ご自身のビジョンとして再確認されたそうです。

勉強したり働いていたりするとビジョンを忘れたり、何のためにはたらいているのかわからなくなることがあり、一方で人の支えがあると自分の力と勘違いすることがあるから気をつけなければいけない、と仰っていました。

iPS細胞を利用した研究としては、理研の高橋政代チームリーダーが世界初となる加齢性黄斑変性症に対しての移植手術を実施したり、脳外科医である高橋淳教授がパーキンソン病の再生医療をマウスで実験され、臨床実験に入る段階だったり、金子新准教授が癌に対する免疫細胞を若返らせて癌細胞を攻撃させる研究をされたりと、色々な成果や実験をされています。他にも、妻木範行教授の実験では、軟骨無形成症[骨端軟骨(手足の骨の両端にある軟骨)が成長せず身長が伸びなくなる病気]の軟骨をiPS細胞から作り出し、高脂血症の薬を与えることで正常な軟骨を作ることに成功したりしているそうです。
そういう話を聞くと明るい未来が待っているように思えます。

しかしながら研究だけでなく仕事をするにはヒト、モノ、カネが必要です。優秀な人がいても設備も必要ですし、そのヒトを支える人材も必要です。また、その設備を整えたり多くの人を雇うためにはお金が必要なのです。

山中教授の研究所では、理研などのように国から運営交付金をもらって研究するのではなく、どういう研究をするからお金をください、という競争資金を取り合う形で予算が決まっていきます。かなり資金繰りが困難なようです。そこで「iPS細胞研究基金」を募っていらっしゃいます。
山中教授ご自身が医師として働いていた時の「手術や現時点での投薬では治らない患者さんの病気を治したい」という思いを実現するためにはまだまだ予算が足らないということです。
以下がその説明ページです。
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/about/fund.html

インターネットからクレジットカードによる寄付や、銀行からの振込、講座からの自動引き落としなどの方法もあります。
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/about/fund_request.html

日本の研究施設は米国と異なり、研究者と事務員しかいないようなところがほとんどです。本来であれば広報や作業を専門に行なう技術員、産学連携を行なう人や知財について調べる専門家などが必要なのですが、紫金が足らず手が回らないそうです。
それでも少しでも良いから寄付を募ってもらうために山中教授ご自身がマラソンに参加して宣伝活動をされているというのです。
山中教授の思いに賛同でき、少しでも寄付したいという方がいらっしゃれば寄付を考えてみてはいかがでしょうか。

今回のセミナーで学んだことはビジョンを持ち忘れないこと、日本語で言えば初志貫徹ということでしょうか。また、自分一人で成し遂げられることはなく、多くの人によって支えられて生きているということです。

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 ところで、今回のセミナーに参加して最後にJR西日本に対して思ったことがあります。それは、こういった財団を立ち上げ、セミナーを開いたり助成金を配布することが先の福知山線での事故に対するポーズに終わって欲しくないということです。
再び合理化による金もうけだけに走り、社員の教育が不合理なものとなり事故を招いてしまっては、何にもなりません。
亡くなった方は二度と生き返ることはありませんし、怪我をされた方やPTSDになってしまった方は中々健康な状態に戻るのは難しいでしょう。
鉄道事業は効率良く人を運ぶということが仕事ですが、決して人の命をおろそかにしてはいけないはずです。
福知山線での事故による被害者の方々には誠心誠意尽くして頂きたいですし、今後二度と同じような事故を起こさない心構えを持って会社経営をしていただきたいと思います。

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