スカーレット・ヨハンソン主演、リュック・ベッソン監督の作品
「人類の脳は、10%しか機能していない」というキャッチコピーでしたが、
それは古い学説なのです。
主人公のルーシーはマフィアの闇取引に巻き込まれ薬物の運び屋に仕立て上げられます。
袋入りの薬物をお腹に埋め込まれ、アクシデントからその薬物を内臓から摂取することになり、脳に異常をきたしていくという話です。

LUCY
映画の導入部分でスカーレット・ヨハンソンが現れて、
「あれっ!?どこかで見た人やなぁ〜。誰かに似てるなぁ〜」
と思っていたのです。
あくまでも雰囲気なのですが、答えはミラ・ヨボヴィッチ。
監督がリュック・ベッソンと知って納得しました。
かつてミラ・ヨボヴィッチはリュック・ベッソンと結婚してましたから、
似た雰囲気(あくまで私感ですが)の女優さんを使ったのかなと思った次第です。

昔読んだ話に、LSD等の薬物で感覚が研ぎ澄まされたり、トリップしたりして通常ではない精神状態になるとありましたし、最近では危険ドラッグ(脱法ドラッグ)で事故が相次いでいるので薬の危険性はご存知の通りです。
この映画では10%しか使っていない脳が薬物のせいで徐々に能力アップし、20,30,40と機能が上がっていき、それに従ってルーシーの能力も段々パワーアップしていきます。
その力を使いながらマフィアを追い詰めていくのですが・・・。
結末は言いません。興味のある方は映画をご覧下さい。

一つだけ気掛かりだったのは、モーガン・フリーマンが学者の役をやりながら脳の働きについて講演をしていて、イルカの能力を素晴らしいと絶賛するところに違和感を感じてしまいました。欧米人にはイルカやクジラを人間並みに知能があると絶賛する人たちが多くいるので、そういう社会背景が反映されているのかと思った次第です。
イルカショーの仕事をしている人から聞いた話ですが、確かにイルカは幼児くらいの知能はあるそうです。イルカ達は、悪戯したりすねたり、言うことを聞かないことがあるそうです。
でも、私はイルカが成人の大人と同じような知性があるとは思えません・・・。
確かに可愛いですけど。

ところで、人間の脳は100%使われているそうですが、ただ、同時に100%すべて働いているわけではないそうです。
脳のどの部分でエネルギーが消費されているのかモニターできるPET(陽電子放射断層撮影)というものがありますが、それによれば脳は常にどこかが稼動しており、未使用の部分が90%もあるとは思えません。
また、筋肉は使用されないと衰えるように脳の神経細胞も使われないと死滅していくそうです。
もし、未使用な部分が90%もあるのなら、成人になるまでにその大半は死滅しているはずであり、検査すれば病的なほどスカスカになるはずです。
ですから、人間の脳はほぼ100%使われていると考えて良いと思います。

最後に面白い話があるのですが、それは「火事場の馬鹿力」です。
火事になると思い掛けない力が発揮できて、普段は持つことが出来ないような重い荷物を持ち上げたり、人助けが出来たりする、という話です。
普段私たちが使っている力は、脳が抑制をかけていて100%発揮することができないようになっています。
なぜならば、そうしておかないと自分が発揮した力で自分の体を破壊してしまうからだそうです。

ところが、火事場のような場面では、その脳からの抑制が解き放たれ、普段思っているような常識というものが取り払われて、無我夢中で重いものを持ち上げられるくらいになるそうです。
スポーツの世界でも精神力が結果に大いに影響を与えることは知られています。
もし人間の脳が100%同時に働かせることが出来るようになると、すごいことが出来る人間になるのかもしれません。