肩こりではないかもしれません

肩こりで肩が痛むと仰って来られる患者さんは多くいらっしゃいます。
しかし、じっとしていても痛みがきつくて辛いとか、眠っていると痛みで目が覚めるという経験はありませんか?
肩の痛みが全て肩こりの痛みだけではありません。
関節の中で炎症を起こしている場合もあります。

肩峰下滑液包炎

肩関節と肩峰下滑液包

肩関節と肩峰下滑液包


肩関節の中に「肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)」というものがあります。
「滑液」とは関節の動きを滑らかにするための潤滑油のような役割をする液体のことです。
そして肩甲骨の一部に「肩峰(けんぽう)」というところがあるのですが、
その肩峰の下にある袋だから「肩峰下滑液包」といいます。
こういった「滑液包」は体のあちこちに存在していて、関節の動きをスムーズにしています。
ところが肩関節周囲の筋肉が固くなって関節を圧迫すると、肩関節を動かした時に滑液包がこすれて炎症を起こします。
すると「肩峰下滑液包炎」という症状になり、痛みを生じます。

炎症が原因で肩こりが悪化したり頭痛になる

この炎症が原因で周囲の筋肉が固くなり更に肩こりがひどくなることもありますし、頭痛が起こることもあります。
ですから、頭痛がするからといって頭だけ治療してもいけませんし、
肩こりだからと肩の周囲にある筋肉だけほぐしても良くならないことがあるのです。
やはり全身をみて単純な肩こりなのか、それ以外に原因があるのか、きちんと調べなければなりません。

ほかの病状の場合もある

スポーツなどで肩関節周囲の筋肉が傷ついて腱板損傷という症状になることもありますし、老化などで筋肉の中に石灰質が沈着して石灰沈着性腱板炎という病気がおこることもあります。
前者の場合は時には手術が必要な場合もありますし、後者の場合は夜中に突然激しい痛みが始まることが多く、整形外科ではステロイド注射や石灰質そのもの吸引、消炎鎮痛剤の服用などが行われます。

早めに対応を

簡単な徒手検査(手で行なう検査)で肩峰下滑液包炎かどうかはわかりますので、もし肩峰下滑液包炎であれば、私は患者さんに絵図をお見せしながら説明し、しかるべき処置をされるようにお伝えしています。
当然ながら肩関節周囲の筋肉が固くなった原因を突き止め、肩関節周囲の筋肉を緩めてあげなければなりません。そういうときに鍼灸は著効があります。
しかし、早く痛みを止めたいというような場合は消炎効果のある湿布薬や消炎鎮痛剤の服用が必要な場合もあります。
その時は病院に行って薬を処方してもらうか、薬局で薬を買う必要があります。
いずれにしても痛みを我慢せず早期に治療することが大切だと思います。

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