神戸市灘区六甲道駅近のリンゴ健康院です。
鍼灸治療を主に行なっています。
今日はよくある背中の痛みについて書いてみます。

肩甲骨の間の痛み

背中の痛みといっても色々な場所が痛みます。
今回は肩甲骨の間の痛みです。
背骨の上にもいくつもの経穴(ツボ)が並んでいます。
この経穴が並んでいる一連の繋がりを「経絡」と呼び、背骨上にあるものを「督脈(とくみゃく)」という名前で呼んでいます。

巨闕兪という名の奇穴

巨闕兪(こけつゆ)背中にも色々な反応が見られますが、肩甲骨の間にある経穴、中でも「巨闕兪(こけつゆ)」というところの反応は興味深いものがあります。
鍼灸の教科書に出てくる標準とされる経穴は「正穴」という扱いを受けますが、時々正穴ではないけれども治療効果の高い経穴を「奇穴」として分類・記載されることがあります。
この「巨闕兪」という経穴は「奇穴」に分類されるものです。
臨床上はよく使う経穴なのですが、なぜか教科書には奇穴扱いとされています。

場所は第4・第5胸椎の棘突起(きょくとっき)の間にとります。
ここはちょうど心臓の裏側辺りになります。
背骨を触るとガタガタとしていますが、出っ張ったところが棘突起で、凹んだところが「棘突起」の間になります。
首の付け根の一番出っ張ったところから4番目と5番目の間にあるということになります。
また「心兪」という経穴に反応がある人もいます。これも心臓の反応が出やすいところです。
(心兪は膀胱経の経穴です。)

痛がる人が多い

この巨闕兪を触ってみると患者さんがとても痛がることがあります。
しかもペコンとかなり凹んでいることが多いのです。
本来背骨は湾曲していて丸くなっているのが普通です。
極端な場合は猫背になっていますが、健常な人でも背骨一つ一つが連なり太鼓橋のように軽い湾曲状態になっています。

原因は様々

ところがなんらかの原因で心臓に負担がかかった時に、この周囲の筋肉が緊張し、背骨がペコンと凹んだ状態が見られます。
例えば、

・精神的なストレスで動悸が激しかった
・夜更かししたり長時間働いて睡眠時間が少なく、体が休まらなかった
・めちゃくちゃ頑張る性格で休むことが出来なくなっていた
・過剰にイライラする性格で、無意識であるが動悸が激しい生活を送っていた
・必要以上に食べたり飲んだりして血液がドロドロになって心臓に負担がかかった
・殆ど歩くことをせずデスクワークが続いたために、脚の筋ポンプが使えず心臓に負担がかかった

などです。
複数の原因が重なって起こっている場合もあります。

精神的な原因はやっかいです

治療で難しいのは精神的な原因の場合です。
過剰なストレスがあった場合や常にイライラしているような性格の場合はなかなか治りません。
食事や運動で解消できる場合はまだまだ楽な方だということです。
もちろんストレスから気を紛らわせたいために過食するということもありますので、そういう場合はストレスの原因を突き止めて上手くつきあう方法を探さなければなりません。

体調不良の原因は持って生まれた体質や外部からの細菌・ウィルスだけとは限りません。
季節や天候の変動も関係していますし、他人との人間関係も関係しますし、突発的なトラブルや事件で精神状態が左右されることも原因になりえます。
また、自分自身が作り出すイライラやクヨクヨとした感情も体調不良に大いに関係しています。

治療は全体療法で

鍼灸治療は、西洋医学的な局所療法とは異なり「一部を改善すればよい」という考えではなく、人の体と生活や性格、天候や季節など様々な要因を考慮にいれて治療にあたるものです。
ですから、背中が痛いからといって背中に鍼を打てばおしまいというわけではありません。
私は患者さんと接する時はいつも、患者さんの内臓の調子を整え、生活を見直せるよう相談にのり、出来れば散歩のような運動を取り入れ心身ともに良い状態になっていってもらうことが大切だと考え治療にあたっています。

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