猫背を気にされている方がチラホラといらっしゃるようです。

猫 町中で背骨矯正や骨盤矯正という文字を見かけることも多くなりました。
骨格を外部から無理やり矯正して治ったと思い、しばらく経つと元に戻りませんか?ベッドで治療を受けて、受け付けで代金を支払う時にはもう元に戻っていた、という話を聞いたこともあります。

骨格が歪むとか曲がるとか言われますが、関節や骨格が勝手に曲がるのでしょうか。猫背になるのは姿勢が悪いからでしょうか。

 

そもそも関節が曲がるとはどういうことなのか

皆さんもご存知のように体中に筋肉があり、その筋肉が縮むことで関節が曲がり、姿勢を変えることが出来ます。
では猫背になるのは何故でしょう。もちろん、長い年月をかけてずぅ〜っと同じ姿勢を続けたおかげで猫背になった人もいるかもしれません。
しかし、意識して猫背の姿勢をしている人はあまりいらっしゃらないと思います。逆に勝手に何の原因も無く筋肉が縮んでいくのでしょうか。

猫背という姿勢にしている筋肉はどれでしょう

脊柱起立筋 一つは背中の”脊柱起立筋”です。それは、図をご覧いただいたらわかるように、色々な筋肉の集まりです。
朝礼などで「起立、礼!」をするときに働き、背中をピンと伸ばす筋肉ですから、”脊柱起立筋”と呼ばれています。
この脊柱起立筋が力を発揮できないと背中を伸ばすことができません。

 

 

 

胸筋群 もう一つは胸の筋肉です。”大胸筋”や”小胸筋”といわれる筋肉で、呼吸に関する筋肉としても重要で、肋骨を持ち上げ息を吸う時の補助をします。
特に小胸筋は肩甲骨と肋骨を繋いでいるので、この筋肉が縮んで伸びないと胸を張ることが出来ません
そしてこの小胸筋が縮んで働かないと、肩甲骨を前に引っ張られ、息を吸うのもつらくなり猫背になります。

他にも棘筋という背骨一つずつを繋いでいる筋肉や菱形筋など様々な筋肉が関わっていますが、ここでは省略します。

では鍼灸治療では猫背どう考えるのか。

鍼灸の専門学校で最初に習うのが”肺”の経絡です。
正確には「手の太陰肺経」といいますが、中焦(中焦)から起こると言われています。手の太陰肺経
中焦とは人体を上から下へ、”上焦(じょうしょう)”、”中焦(ちゅうしょう)”、”下焦(げしょう)”と3つにわけて考えた真ん中にあたる部分ということです。
この中焦は東洋医学では”脾・胃”のこととされています。

(脾・胃とされていても臓器そのものとその働きをも含めて表現していますので、完全イコールではありません。消化器と消化機能全般と考えて下さい。)

この中焦≒脾・胃に問題があると、肺経に影響を及ぼし経絡や臓腑に不具合が出てくると考えます。そしてこの肺経の通り道(経絡)が丁度”大胸筋・小胸筋”なのです。
手の太陰肺経(解剖図あり)

ですから、消化機能に問題が出てくると、胸の筋肉に異常が現れて胸を張ることが出来なくなると考えられるのです。

実際に、胃腸の働きを整える作用を持つ「足の陽明胃経」の経穴(ツボ)に刺激を加えると、この胸の筋肉が緩みます。

 

 

 

 

背部の経穴 更に以前「背中は嘘をつかない」というブログでも書いていますが、内臓に不調があると腰背部の筋肉に異常が現れます。

最後にお腹の状態です。よく胃が痛くなる人がいると思いますが、胃や胆のうなどに不具合があると身をかがめるような姿勢になります。内臓に不具合があると お腹の筋肉が緊張して背中を伸ばすことが辛くなります。つまり、内臓の不具合がお腹にも反映され、腰や背中、そして胸の筋肉にまでも影響を及ぼすというこ となのです。

そうなると胸を張ることができない、背筋を伸ばすことができない体になる、というわけです。

胃腸を初め内臓の不調は暴飲暴食だけでなく精神的ストレスや睡眠不足、運動不足でもおこります。

ですから、猫背を治そうと考えると、外からだけでなく中からも治していかないと良くならないと思います。

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整体指圧マッサージの他、主に鍼灸治療を行なっています。

参考文献:医歯薬出版株式会社 東洋療法学校協会編教科書 解剖学
医歯薬出版株式会社 東洋療法学校協会編教科書 経絡経穴概論
株式会社NTS ツボ単