バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

今日はバセドウ病について書きたいと思います。
当院に通っておられた患者さんで、再発されたことからもなかなか症状が改善しない方がおられました。
食生活も含めて生活を見直していただき治療をしていくことになり、10ヶ月ほどかかって良くなられました。

甲状腺の働き

甲状腺甲状腺の働きは、おおまかに言うと代謝を促進するホルモンを出すところです。
代謝の例をあげると、思考や神経反射を早くする、心臓の収縮力や心拍数を上げる、たんぱく質の分解を促進する、消化管から糖吸収を促進し血糖値を上げる、中性脂肪・コレステロールを下げる、酵素消費を増加させ熱産生を増加させる、などです。
バセドウ病は20~40歳代の女性に多く、甲状腺が腫れたり、眼球が突出したり、脈拍が早くなり動悸や息切れ、全身の倦怠感などがみられます。
必ずしも同じ症状は出ませんが、病状が重い方ほど様々な症状がみられ、発汗や震え、体重減少や筋力低下なども現れます。
治療せずに放置すると、心房細動や心筋傷害をきたして、ときに心不全で死亡する危険性があります。
検査は主に血液検査で、血中のホルモンの数値や抗体の数値でわかります。

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の治療方法

一般的な西洋医学的治療方法としては、抗甲状腺薬を投与して甲状腺でのホルモン合成を抑制するものですが、副作用が出る事があります。
今回の患者さんも、最初の発症の時に、薬の副作用で血管炎や急速進行性糸球体腎炎になられたそうです。
それで薬の服用を中止し、鍼灸治療法を紹介されて一年ほど鍼灸治療を受けられ治られたそうです。
その経験から、今回も鍼灸治療を受けたいとのことで、当院に来られました。

今回は再発ということで、甲状腺治療の専門病院にかかられたのですが、甲状腺の摘出手術かアイソトープ(放射線ヨード)治療を勧められたそうです。
摘出手術は甲状腺そのものを取り出すことで症状を無くす方法です。
また、アイソトープ治療は、放射性ヨードを使って甲状腺を破壊して症状が出ないようにする方法です。
どちらも治療と言っていいのかどうか躊躇してしまいます。
原因を追及して症状が治るという方法では無く、あくまでも対処療法だからです。

甲状腺を破壊してしまったり取り除いてしまうと、橋本病と同じように甲状腺の機能が低下したのと同じ状態となり、朝が起きづらい、便秘、月経過多、寒がり、元気が出ない、足のむくみ、皮膚の乾燥など様々な症状がでます。
そうなると一生に渡って甲状腺ホルモン剤を飲み続けなければなりませんし、何よりも生活そのものが困難になったり、鬱症状をきたす方もいらっしゃいます。

鍼灸治療を検討してみて下さい

古い書物あくまでも当院としての考え方ですが、バセドウ病については、副作用を伴う薬は必要最低限で(できれば薬は使わないで)鍼灸治療や生活改善で治して、最後の手段として摘出手術やアイソトープ治療を行うのが良いと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございます。
大阪・明石から電車で30分、神戸市灘区六甲道駅近のリンゴ健康院でした。
指圧マッサージの他、主に鍼灸治療を行なっています。