子どもが鼻血を出すことがあります

鼻血の対応私の子ども達も時々鼻血を出すことがあります。
昔は「衂血(じくけつ)」と呼んでいたようです。

東洋医学的に言うと「脾は統血を司る」とあるので、脾を病むと出血しやすくなります。
「脾」は血が外へ出ないように固摂をかけます。
固摂とは「さまざまなものを定位置に保持する働き」です。

脾といっても今の脾臓のことではありませんし、臓器そのものを指す場合と、脾が表している機能全般を指す場合があります。
そこが東洋医学の難しいところでもあります。

やはり食べ過ぎはよくありません

脾を病むというのは食べ過ぎで負担がかかりますし、五行色体表を見ればわかりますが、特に甘いものは脾を傷めることになります。
以前も書きましたが、西洋医学的に見ても甘いものを摂取すると糖反射という現象がおきて、胃腸が動きを止めることがわかっています。

鼻血を出した前に食べ過ぎていなかったか、甘いものを取りすぎていなかったか思いだしてみて下さい。
また、風邪などをひいて体調が悪い時も消化機能が低下して鼻血をだす場合もあります。

鼻血を止めるツボ

風府と風池私の愛読書の鍼灸真髄に鼻血の治療について書かれている箇所があります。

衂血(じくけつ)の灸
衂血は風府に灸すればよし。この部の髪の毛を二三本引き抜いてもとまる。風府は外後頭結節の下五分位の陥中である。

衂血
風池二穴。この風池は特別の取穴によるものにて、風府の外方約二寸開きの処なり。

天柱という経穴(ツボ)に刺激を与えて治した記録もありますが、後頭部にある経穴を刺激すれば鼻血を止められるということです。
私も子どもたちが鼻血をだした時は、髪の毛を抜くのではなく引っ張るようにして刺激を与えています。

やはり太極療法が必要です

脾を病んでいるからといって、脾だけを治療してもよくありません。
やはり健康を保つには、五臓六腑全体の調和がなければならないのです。
それが太極療法というもので、局所だけ治す局所療法・対処療法とは異なります。

ですから鼻血の場合の風府や風池のような特効穴(とっこうけつ:特に効果のあるツボ)だけを使っても対処療法にしかなりません。
肩こりや腰痛も同様で、痛むところだけ施術しても再び元に戻ります。
心身全体の調子を整えることが大切だと思います。

首を前に曲げて下を向くこと

頭を反らして上の方を向くような姿勢はよくありません。
鼻血が咽喉の奥に落ちていくと気管支に入る危険性があります。
また、頭に登った血が下りていくのが静脈なので、首の静脈を圧迫する姿勢であり、この姿勢はよくないのです。
寝ているときも首回りを圧迫しないように注意しなければなりません。

鼻を圧迫して止血するときに、水で冷やしたタオルを絞って額と鼻の上を冷やすとなお良いです。
同時に風府のあたりの髪の毛を軽く引っ張ってあげると早く止まります。

なんでもないのに鼻血を出しやすい人は甘いものの食べ過ぎですから、甘味を控える方が良いと思います。
感染症や脳疾患、心臓や腎臓の疾患などでなければ鼻血を出したからといって、命に関わることはありませんから冷静に対処しましょう。

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参考文献:沢田流聞書 鍼灸真髄 代田文誌著 医道の日本社