心身全体を診て根本から治療する太極療法という考え方

十二原之表鍼灸師であれば一度は目を通しているであろう「沢田流聞書 鍼灸真髄 代田文誌著」に「太極療法」という言葉が出て来ます。

“太極”というのは『易経』の言葉で、物事の本質を表すという意味合いです。

患者さんの症状が出ている局所を診るのではなく、心身全体をみて、しかも生命の力を引きだして病気を治していこうとする考え方です。

太極療法と聞いても一般の方には分かりにくいかもしれませんが、肩が凝るからといって肩だけ揉んだり、慢性腰痛だからといって腰だけほぐしたり、背骨が曲がっているからといって背骨だけ矯正する、といった局所だけを見て治療するのではないということです。

つまり、気候や病症の進み具体を考慮に入れた上で、心身全体を診て五臓六腑の働きのバランスと調えることで表面に現れている病症が治っていくという考え方です。

肩だけ揉んだり背骨だけ治すということはしません

陰陽五行論に従い、五臓六腑の働きのバランスを調えることが出来るから、皮膚にステロイドを塗らなくてもアトピー性皮膚炎が鍼灸治療だけで治るということです。

もちろん他の様々な疾患の治療も局所的な症状だけを診ずに季節や精神状態、体調や内臓の不調など全般を診て治療にあたります。

ですから、肩が凝るからと肩だけ鍼を打つということはしませんし、腰が痛いからと腰だけ鍼を打つ事もありません。

背骨が曲がっているからまっすぐに矯正すればいいというわけでもありません。

あんま・マッサージでも同様で、肩だけ揉むということはしません。

また肉離れを起こした時でも、なぜそれまでケガが無かったのに肉離れを起こしてしまったのか、という原因を考えて治療にあたります。

名著にも書かれています

鍼灸師であれば一度は目を通しているであろう「沢田流聞書 鍼灸真髄 代田文誌著」に下記のように書かれています。

  • 五臓六腑の中枢を調えることにより末梢の病気をもなほす。
  • 病気というも特別なものでなく、血の循環が不平均になつた状態をいうのです。
  • 人間の体には新陳代謝というて、日々に絶えず悪い所をなほしてゆく働きがある。この力を利用するのであるから、これ以上の医術はない。これはまさに大乗の療法というべきです。
  • 人間の栄養する血液の循環をよくするのが治療の目的です。
  • 人間のもつてゐる力を活発に働かせるのが第一の医学。
  • 即ち医のはたらきは、「自然の療病力を補助するにあり。」

様々な疾患に対応する東洋医学

個別の臓器や器官に細分化される西洋医学的な考え方とは異なり、気候や病症の進み具合、精神状態や感情の起伏、五臓六腑のバランスなど全体を診て治療にあたるので、肩こりや腰痛だけでなくアトピー性皮膚炎や帯状疱疹、橋本病やバセドウ病、うつ病やパニック障害など様々な疾患に対応出来るのです。

しかも薬物を使わずに根本から治療にあたるが故に、数千年もの長い間、生き残ってきた治療法だと思います。

参考ページ

アトピー性皮膚炎の治療
ヘルペス・帯状疱疹の治療
嗅覚障害の治療
など

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