一口に頭痛といっても痛む場所によって原因や治療方針は異なります

頭痛頭痛に悩まされている方がけっこういらっしゃると思います。
しかしながら頭痛薬を飲み続けて更に頭痛が続く、あるいは悪化したという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは頭痛が起こる部位とその原因と治療方法について、東洋医学的に考えてみたいと思います。
ただし、頭痛といっても脳梗塞や脳腫瘍でも頭痛が起きますので、どのような頭痛でも市販薬や鍼灸治療で治るとは考えないようにしてください。

額(ひたい)の頭痛

陽明胃経の前額部

胃経は額(ひたい)を通ります。

まず額(ひたい)が痛む場合は、胃の不調から起こる場合が多いのです。
この時に頭痛薬や鎮痛薬を服用して胃が荒れると更に頭痛が酷くなります。
これは額の部分に胃の経絡が通っているからです。
ですから、胃の調子を整えてあげないと頭痛は治まりません。
同時に起こる他の症状としては、経絡の通り道として顔や頭の火照りなどが起こる場合や、胃の不調を表す傾向として、口の周りの荒れがあったり唇の角が赤く炎症を起こしたりすることもあります。

こめかみの頭痛

陽明胃経の側頭部

胃経のツボと胆経のツボが並ぶ 特に頭維穴辺りに痛みが出やすい

また、こめかみの部分は、胃の不調からくる場合とストレスから来る場合があります。
胃経の熱が胆経に波及している場合と、ストレスで肝胆の熱が胃経に波及する場合があります。
ここも胃の経絡(陽明胃経)が通っているので、胃の調子を整えてあげなければなりませんが、逆に肝胆の熱をさばくように治療する必要もあります。

偏頭痛(側頭部の頭痛)

少陽胆経の側頭部

側頭部全体に胆経が通る。 特に風池穴辺りに熱がこもりやすく痛みが出やすい。

偏頭痛の場合は少し異なります。
これは胆の経絡(少陽胆経)が通っているので、肝の熱がその裏にある胆に波及する場合や、胃の熱が胆に波及して起こる場合が考えられます。
原因は様々です。ストレスを肝が受けて胆に波及しても起こりえますし、動物性たんぱく質や脂質の取り過ぎで消化の負担があった場合、薬やお酒で肝の負担が増えた場合などでも、その熱が胆に波及して偏頭痛が起きる場合があります。
同時に起きる症状としては、鳩尾(みぞおち)当たりの不快感や何かが突き上げてくるような感覚です。

後頭部の頭痛

膀胱経の後頭部

首の後ろにあるスジ(大筋という筋肉)が張ったような状態になり頭痛を感じる。 天柱穴から玉枕穴(ロ)の辺りに痛みが出やすい。

後頭部の頭痛は肩こりや首のこりから来ていますが、その肩こりや首のこりもストレスだったり飲食の不摂生だったりします。
首の真後ろから後頭部にかけては膀胱経が通っていますが、これは水が多すぎるか足らなさすぎるか、どちらかが原因で頭痛起こったりします。
つまり脳に沢山栄養を送らなければならないような頭脳労働や眼を使うことを強いられた場合と、飲食不節で栄養を摂りすぎて処理が出来ない栄養や老廃物が血管やリンパ管に多くありすぎるために体液が粘る場合に筋肉が張って頭痛になる場合です。

そして、肩こりから肩関節に炎症を起こすことがあり、これが原因で頭痛がする場合もあります。
肩には小腸経が通っていますから、消化に水を沢山使いすぎるような飲食不節があると、肩こりが酷くなって頭痛になったりします。
そして、肩のこりから首のこりが引き起こされて、更に首の関節に炎症が起きて頭痛がすることがあります。

頭頂部の頭痛

膀胱経の頭頂部

この図は膀胱経ですが、肝経を初め様々な経絡が通っています。

ここには百会という経穴(ツボ)がありますが、色々な経絡が集まるところで、特に肝経の影響が出やすいために、過剰なストレスで痛みがでる場合があります。
頭頂部の百会には様々な経絡が通っているので、ここに痛みが出るということは、それだけ心身の負担が大きいことがわかります。


頭が痛いからと頭や首だけ鍼を打ったりして治療しても、逆に眩暈(めまい)が起きたりしてかえってよくありません。
ですから、私は頭痛が起きた時は頭だけ治療するのではなく、全身を見て身体全体が良くなるように治療します。
また、普段の生活を改善してくために適度運動や食事の改善、睡眠やストレスの発散・解消などが必要になってきますので、そのようにアドバイスさせて頂くことも多いです。

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参考文献:「図解 十四経発揮」本間祥白著 医道の日本社