アトピー性皮膚炎と聞くとすぐにステロイド剤を連想する方が少なくないでしょう。
ステロイド剤を使わなくてもアトピー性皮膚炎は治ります。
神戸市灘区だけでなく東灘区、大阪や明石、奈良、京都など遠方からも来院されます。

ステロイドとは何か

薬ステロイド(=副腎皮質ホルモン、コルチゾール)は腎臓の上にある副腎という内分泌器官で作られます。
もともと人が生理的に体の中に持っているホルモンの一種で、生命を維持させるための各臓器や器官の活動や、恒常性(バランスのとれたより良い状態)を保って、糖質や脂質といったの代謝に関係し生命活動に必須のものとされます。

ステロイド剤による治療が不十分だったり、コントロールが悪いアトピー性皮膚炎の人は、血液中コルチゾールの値が低くなっていて、逆にステロイド剤をしっかり使い皮膚疾患が改善すると血中コルチゾールの値も正常化したとの報告もあるようです。
ストレスや疲労などで、自らが作り出すステロイドが不足すると、アトピー性皮膚炎が悪化するとも考えられています。

精神的なストレスの管理、食生活の改善などで内的要因が改善されていれば、ステロイド剤の外用によって、皮膚疾患を軽快させることは可能なのかもしれません。
しかし、いくらステロイドを塗っていても、精神的なストレスや体調などの変化により症状に波が生じ、一進一退を繰り返す場合もあり、悪化要因は患者さん個々で異なることが多いように思えます。

人間の体内にあるステロイド

人体内にあるステロイドにも様々な種類のものがあります。

●細胞膜を構成する脂質
●ホルモン作用を持つもの(ステロイドホルモン)
・性ホルモン – 性器の分化、性的な特徴の発現に関わる物質
・糖質コルチコイド – 血糖値を保つ
・鉱質コルチコイド – ナトリウムをはじめとした塩類の再吸収を制御し、血圧を維持する。
Wikipediaより引用抜粋)

医師が処方するステロイド剤にも強さのランクが5段階あり、部位・皮膚疾患の重症度に合わせて使い分けられます。
また、皮膚で吸収されて、局所的に効果を現した後、消失していくステロイド剤も開発されきているようです。
使用する場合は医師と相談しながら、きちんと処方してもらい、勝手に使ったり、勝手に使用をやめたりしないように気をつけてください。

治療事例からのご紹介

今回ご紹介させて頂く当院の患者さんの事例です。

ある大学の附属病院で「難治性慢性多形痒疹(なんちせいまんせいたけいようしん)」と診断され、ステロイド剤を服用し続けるという治療を続けたのですが、3年たっても改善されず、親戚のご紹介で当院に来られました。
発症は20年ほど前だそうです。その後色々な病院を回られて、最後は大学附属病院に行かれたのですが、症状の改善は見られなかったそうです。

初診時治療前

初診時、治療前の写真です。

治療前は顔や両腕両足、背中やお腹など全身に湿疹と真っ赤な皮膚がある状態でしたが、毎週鍼治療を行ない、食生活を見直していただいて、1ヶ月で湿疹が半分以下に減少しました。
背部の写真をご覧いただけたら分かりやすいかと思います。(撮影と掲載は患者さんの同意を得ています)


治療開始一ヶ月後

治療を始めて、一ヶ月後の写真です。鍼灸治療の効果が分かっていただけると思います。


アトピー性皮膚炎

初診時、治療前の写真

アトピー性皮膚炎

治療5ヶ月後の写真


薬膳料理を習っている理由

薬膳料理の例私が「人の体は食べ物から出来ている」と考え、鍼灸治療だけでは限界があると感じたので、薬膳料理を習いに行きました。
薬膳料理は鍼灸治療と同じ陰陽五行論を基本としていて、患者さんの症状に合わせて食材を選び調理をします。
「医食同源」という言葉がありますが、それは、「食べることも医療行為も同じである」という考えを現したものです。

つまり、このように考えると、鍼灸治療に限らず、例えどのような治療を受けていても、普段食べているものが体に合わないと病気を引き起こしてしまうということになります。
ですから、鍼灸治療だけでは症状が改善しにくい患者さんを、より早く良くなるように、そして現れる症状や病気の原因が飲食物であれば食生活を改善して頂いて、病気にならなくて済む生活を送っていただきたい、という思いから薬膳料理を習いに行っています。

アトピー性皮膚炎の治療方針

私は、アトピー性皮膚炎の原因の多くは、飲食物に対するアレルギー反応と精神的なストレスからくる内臓の不調和だと考えていますので、普段摂られている飲食物を教えていただくことから治療を始めます。
当然ながら、精神的なストレスからくる内臓の不調も原因となると考えていますから、普段の生活や仕事に精神的なストレスが無いかどうかも聞かせていただいています。

実際に私の娘は幼少の頃に小麦粉が原因でアトピー性皮膚炎になりましたが、鍼灸治療と食事療法で完治しました。

精神的なストレスへの対処、飲食物の改善

カレーライス私が患者さんの治療をさせて頂いて感じるのは、成人してからのアトピー性皮膚炎は、仕事上の精神的なストレスや夜更かしなどの生活の乱れ、暴飲暴食やインスタント食品の過食や食物アレルギーが主な原因の方が多いということです。
腸内環境が悪化し、体内の毒素を外へ放りだそうとして皮膚炎を起こすと考えています。

そういった飲食物の影響や精神的な影響を考慮に入れ、東洋医学を治療方法を根本にしながら、胃腸を初め消化器全般の働きや免疫系等の働きの改善をはかるように鍼灸治療を行なっていきます。

当院では薬膳料理を基本として食事の相談にものっております。

以前にも原因不明の湿疹で病院通いされましたが、改善されなかった患者さんを治療したことがあります。
やはり食事療法も取り入れました。その方は約半年ほど通院して頂きましたが、現時点では再発していません。

最後までお読みいただきありがとうございます。
三宮まで大阪から電車で21分、明石から電車で15分、三宮駅から徒歩10分のリンゴ健康院です。
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整体指圧マッサージの他、主に鍼灸治療を行なっています。