手首の痛みを訴えて来られた患者さん

両手手首の痛みを訴えられる患者さんが来院されました。
ものを持つこともつらく料理や仕事でも痛みが出て支障を来すということでした。

しかも豊中市という遠方からわざわざ来て頂きました。
ありがたいことです。

当の患者さんは持病で胃下垂があり便秘もありました。
眠りも浅く、ぐっすり眠ることが出来ない状態だったそうです。

仕事上でのストレスがけっこうあるようで、東洋医学的に表現すると「木克土」という状態が起こり、消化器の調子が悪くなっていたので胃下垂や便秘という症状が出ていました。

「沢田流聞書 鍼灸真髄」にも

肝臓のわるいのは夜眠られぬし、脾臓の悪いのは昼間ねむたく、腎臓の悪いのは根気がなくなるのです。

肝から来るものは夜眠れず、気がいらいらして腹立ち易く、脾から来るものは昼間ねむたくて気が塞ぎ易く、腎と心から来るものは精神気力が衰えて疲れ易く根気がなく物事に倦き易くなる。
而も、これ等は大方複合して来るので、単純に一臓のみがわるくなるということはないのである。

とあります。

ストレスで交感神経優位の状態で、神経の興奮を抑えて副交感神経優位にするために過食傾向だったようです。
そうなると脾胃を病みますし、食べ物の処理で肝に熱がこもりやすくなり、ストレスだけでなく過食の結果でも眠りが浅くなります。

病院を2件通って治らなかった

患者さんは最初に整形外科病院に行かれたのですが、腱鞘炎と診断され湿布薬を処方されただけで、それを貼っても全く改善されなかったそうです。
そして別の病院に行かれて処方されたのがリリカカプセルだったそうで、「神経障害性疼痛」「線維筋痛症に伴う疼痛」に処方される薬です。
副作用で劇症肝炎や肝機能障害になることもあるそうです。
結局それも効かなかったので当院に来られました。

手首の痛みの原因は腕の筋肉だけではない

手首を動かしてもらってどの筋肉が関与しているか調べてみると小指側の筋肉に筋緊張と圧痛がありました。
経絡的に言うと小腸経です。
手首を内側に曲げていくと手首に痛みが出ていました。

また手首を小指側に曲げても痛みが出ていました。
手首の関節が悪いわけでもありませんし、神経の痛みでもありません。
腱鞘炎であれば湿布薬で治りますし、神経痛であればリリカカプセルで治るでしょう。

詳しく問診していくと、晩ご飯を食べた後に毎日おまんじゅうを食べていたそうです。
それで小腸経に熱を持ったために、その経絡に沿って不具合が出現したというわけです。

手首だけ治療しても治りません

腕の筋肉の緊張から手首の動作が悪くなり痛みが出ていると考えたのですが、先ほども書いたように経絡的には小腸経ですから、胃も含め消化器全般の治療をしなければ治らないと考えました。

身体全体を診て全体治療をして局所の治療を終えて手首の痛みも消失し、「ものを持つことが出来るようになった」と喜んで帰って行かれました。
もちろん、毎晩食べていたおまんじゅうはやめて頂きました。

もし手首だけ治療するような方法をとったとしたら治らなかったでしょうし、治った状態を保つことも困難でしょう。
というのも、根本が内臓の不調から来るものだからです。
それが東洋医学の考え方だからです。

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