喘息についての興味深いニュース

私も子どもの頃喘息があり、自分の子どもも喘息になったことがあります。
喘息の病態としては、
・慢性の気道炎症
・気流制限
・気道過敏性の亢進
というように考えられていて、発作性に、呼吸困難・喘鳴・咳などの呼吸器症状をきたす症候群とされています。

自分や家族が喘息の経験があるので関心があったせいか、先日興味深いニュースを見つけました。

子どものぜんそく、腸内細菌の不足に関連か カナダ研究

・喘息は1950年以降患者数が急増している
・喘息になるリスクの高い子どもは、生後数ヶ月間に一部の重要な腸内細菌が不足している可能性がある
・発展途上諸国では患者数の増加は見られない
・喘息に対抗する免疫系の保護に関連すると思われる腸内細菌4種類が特定された
・便サンプル中の細菌濃度が低い幼児は喘息の発症リスクが高い
・生後100日が新生児の免疫発達の臨界期である

ただ、どのようにして4種類の細菌を獲得するかは不明だそうです。
喘息の病態は極めて複雑なので、解明されていない部分も多いのですが、それでも喘息に対抗する免疫系の保護に関わるのが腸内細菌であるというのが興味深いと思いました。
脳細胞の神経伝達物質と言われているセロトニンも95%が小腸でつくられていると言われていますし、腸内の状態をより良く保つ事が健康への第一歩かもしれません。

喘息に関するもう一つのニュース

喘息患者でも運動を! 喉の過敏性が低下、生活の質も改善

・有酸素運動をすることで喘息患者の喉の過敏性が下がった
・有酸素運動グループでは,開始前と比べて喉の粘膜の過敏性が改善
・炎症を示す血液検査の値(インターロイキン-6、MCP-1)が下がり,アンケートによる生活の質も改善していた
・有酸素運動グループでは期間中に喘息が悪化する頻度が対照グループよりも少なく,最大酸素摂取量や有酸素能力といった持久力も向上していた

一方で、運動することで喘息発作を引き起こす恐れもあるということなので、先のニュースもそうですが、まだまだ研究の余地がありそうです。

喘息の治療方法

沢田流五柱ところで、学生時代からの愛読書である「沢田流聞書 鍼灸真髄」にある喘息の治療方法は、腹部にある経穴(ツボ)にお灸をすえるというものです。
以下、抜粋引用です。

五柱の効=心悸亢進、呼吸困難。呼吸器病にもよい。咳嗽頻発をとめ、喘息にきく。喘息の時には二十壮位灸する。

「喘息の場合には、腹の五柱(中脘・巨闕・梁門・下脘)と気海へすえれば大抵おさまります。これだけでも発作がとまります。その上で、腎兪・京門・中膠・筋縮と、それから身柱と天膠とをすえれば、肺兪も心兪も使わなくてなほります。」

この記述を見ると内臓の調子を整えていく事が喘息という症状を改善するのに役に立つと思われます。
最初のニュースにある腸の環境とリンクするように思えます。

喘息の分類

沢田健の弟子であり鍼灸真髄の著者でもある代田文誌氏の著作にも喘息のことが書かれていて、いくつかの分類があります。
以下は著作物から情報を整理したものです。

①外因性喘息:基本的原因はアレルギーで、吸入・食物摂取・皮内注射、成人では塵埃の吸入、小児では食物の摂取が原因とされる。
a.塵埃喘息:花粉・胞子・動物の垢・皮毛・羽毛・木綿・羊毛・皮革等、小麦粉や麦芽・亜麻実等、染料・溶剤・漂白剤等
b.食餌喘息:主に小児、卵・牛乳・魚肉などが主な原因、薬剤等
②内因性喘息:アレルゲンが体内にあるもので、住宅・職業・食餌などには関係しない。感冒、寒冷、疾患、自律神経失調、気候の変化

代田文誌氏も著作物の中で何人かの喘息患者を治療され、それを記録されています。

普段の生活改善で予防を

マスク喘息発作は辛いものです。普段の生活を見直すことで予防するのが良いと思います。
例えば、風邪やインフルエンザにかからないように注意し、手洗いとうがいは必ず行なうことで、気道の炎症が起きにくくする。
そして、タバコの煙を直接的・間接的にも吸わないようにすることも大切です。
更にはお酒を控える。アルコールが分解されアセトアルデヒドという物質になりますが、これが気道を収縮させると言われているからです。

花粉症やアトピー性皮膚炎などが或る方は、特にハウスダストやアレルギー反応の原因となるものを出来るだけ排除するのが良いでしょう。
また、気温の変化についていけなくて喘息になる場合があるので、衣類に気を配るとかマスクを常備するのが良いと思います。

現代人にはありがちですが、ストレスをためず睡眠や休養をとり、運動不足であれば適度な運動で抵抗力をつける。
最後に、これが一番大切だと思いますが、食生活に気を配り腸内環境が偏らないように、色々なものを少しずつ摂取し、暴飲暴食しないようにすることです。

参考文献:「沢田流聞書 鍼灸真髄」代田文誌著 「治験例を主とした針灸治療の実際」代田文誌著

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